stutterの日記

ファンタシースターオンライン2の偏った話、ほか覚え書き

英雄はPSO2を救えない

EP5で追加された新クラスは既存のクラスと比べてあまりにも性能が違いすぎ、思慮を欠いたものだった。危惧されたとおり、後先を考えないヒーローの突出したバランスは歓迎されず、PSO2は窮地に陥っている。対応のまずさが状況を悪化させたのは明らかだが、PSO2の不信には根本的な問題がある。

ヒーローの戦闘バランスについては擁護の余地がないことは明らかで、誤った決定だった。意図的なものなら意思決定のエラーであり、意図しないものなら無能である。理由はどうあれ開発側としてはおそらく一度決定した方針に対して過ちを認めることは難しかったが、それでも亀裂がここまで大きくなる前に対処するべきだった。

とはいえヒーローについては正しく実装されていたとしてもマイナスがゼロになっただけで、PSO2が抱える本質的な問題は解消されない。ここではっきりさせておきたいのは、戦闘バランスの問題はPSO2において本来それほど優先順位が高いものではなく、あまりにもヒーローで犯した過ちが大きすぎて注目されたに過ぎない。

考えるべきはクラスバランスが完璧になったPSO2がどれだけ価値のあるゲームかということだ。想像すればわかるが、たいしたことではない。問題はここではないからだ。つまりクラスバランスの調整はプレイヤーの不満をそらすためのもので、本当の課題に向き合ったものではない*1

プレイヤーが本当に望んでいるのは、予算とリソースをゲームコンテンツに使ってほしいということだ。オフラインイベントと新規ユーザー獲得にしか興味がなく、今のプレイヤーに本当の価値をもたらすゲームコンテンツは戦略の欠けた投げっぱなしと焼き直しのループであることを見透かされている。

アニメとPS4で注目を集めたもののゲーム内ではあらゆる対応が後手に回り、最終的には拡大のチャンスを生かせなかった。既存のプレイヤーにしてみると生態系を破壊された恨みしか残らず、少なからず軋轢を生んだ。

この失態に起因する根深い不信がユーザーにはあるので、「PSO2クラウド」などと言い出したことが許せない。そんなものは自分たちにとってどうでもいいし、むしろ害悪でしかないと受け止められた。

ユーザーは言葉ではなく行動を見ている。向けられる視線がすでに失望を通り越して怒りに変わってしまった以上、PSO2に残されている猶予は少ない。

*1:もしこれで批判が収まるようであれば、PSO2プレイヤーは非常に扱いやすいといえる。