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MINILA-R ConvertibleとMINILA Airの比較

Minila-R Convertibleについて、公開されている情報を元に日本語配列を前提としていくつか重要な論点を検討した。スペックで単純に判断できる情報は割愛している。詳細なレビューがPC Watchの記事にあり、そちらも参考になるだろう。

Minila-RはMinila Airと何が同じか?

カニカルキースイッチ、ワイヤレス、コンパクトの条件を満たす数少ないキーボードのひとつ。このカテゴリーはそもそも数が少なく、しかもそのほとんどはFILCOのラインナップである。

サイズはまったく同一の幅297、奥行124、高さ40mmで、重さも680gから変わっていない。設置場所や持ち運びに関する向上はないが、その逆に操作性や打鍵感を犠牲にするような切り詰めや軽量化はされていないとも言える。Minilaシリーズがコンパクトな割に重いのは、頑丈な筐体や鉄板の補強で剛性が確保されているからだ。

Minila-RはMinila Airから何が変わったか?

キー配列であると考えていい。Minila-RはMinila Airの後継ではあるがキー配列はまったく別物で、DIPスイッチを使ったとしても同じ配列が再現できるとは思わないほうがいい。Minila Airはコンパクトキーボードの割に癖の少ないキー配列だったが、Minila-Rはかなり慣れを必要とする。

EscキーがFnキーのコンビネーションになった影響は?

Escキーの使いやすさを重要視するなら要注意である。Minila-RのEscキーは、DIPスイッチを使ったとしてもキーボード左上のキー単体に設定する方法はない。デフォルトは半角/全角キーで、Fnキーと同時押しでEscとなる。Minila Airでは通常がEscキー、Fnキーと同時押しすると半角/全角キーとして機能していた。

Minia-RのEscキーはCapslockと置き換えることもできるが、このような配置が選べるキーボードはほとんどないに等しく、これに慣れるのはリスクさえある。Escキーはほとんど何も考えずに押されることが多いと思われ、同時押しが必要になるとかなりストレスになると予想される。同時押しの問題ではないが、Macbook ProでTouch Barに統合されたEscキーは不評を買い、物理キーとして復活したようなケースもあった。いずれにしても敬遠される大きな理由になるだろう。

カーソルキーがFnキーのコンビネーションになった影響は?

Minila-Rでは右Shiftが大きくなり右Ctrlが追加されたが、シャーシのサイズは拡張されていないため必然的にカーソルキー周りがしわ寄せを受けた。これらのキーはカーソルキーと比べて重要とは思えないが、結果としてMinila-Rの使い勝手を考える上で面倒な事態を引き起こしている。

カーソルキーを多用する場合はおそらくDIPスイッチの変更が前提となる。カーソルキーはデフォルトではFnとのコンビネーションだが、これはカーソルキーと同時押しするようなショートカットを多用するアプリケーションでは複雑さが増し、操作に苦しむだろう。

DIPスイッチを変更して独立したカーソルキーを設定した場合、その引き換えにいくつかのキーが失われる。左側のキーを使ったりFnキー同時押しで代用することになるが、ここでも慣れが必要になることは否めず、Minila Airと比較したときに問題視されるのは避けられない。

なぜコンビネーションではないカーソルキーがオプションとなっているのか想像するのは難しい。もしかするとHHKB HYBRIDのUS配列の前例を参照してしまったのかもしれないが、Minila-RはFnキーの場所が異なるため条件は同じではない。

DIPスイッチで右下のキーをカーソルに入れ替えた場合、失われた変換キー(KANA)の代用はあるか?

DIPスイッチでスタンダードモードを有効にすると、左FNを無変換、右Fnを変換に置き換えできる。もとの無変換キーはFnキーとなる。右のFnは消滅するため、ここでもやはりMinila Airと同じ配列にできるわけではない。

Minila-Rは買いか?

カニカルキースイッチ、ワイヤレス、コンパクトを条件にすると、Minila-Rを候補から外すのは難しいため、検討せざるを得ないだろう。

しかし予算に余裕があれば、変態配列としての伝統が長いHHKB HYBRIDも候補になり、相対的にMinila-Rは不利になるかもしれない。リニューアルでキー配列が変更されてしまうMinilaでは、このあまりに独特な配列に慣れたとしても、それがいつまで使えるか読めないからだ。