stutterの日記

ファンタシースターオンライン2の偏った話、ほか覚え書き

Windows環境での英語配列Happy Hacking Keyboard、Macほどには馴染まず

慣れといえばそうだが、Macと使い勝手が異なる部分のいくつかは説明可能だった。Windows英語配列Happy Hacking Keyboard Professional2(以下HHKB)を使う機会があったので、感想を書いておく。

最も大きな問題はControlキーだろう、WindowsでCtrlにあたるこのキーはショートカットに多用するため修飾キーの中でも重要性が高い。MacではControlをいわゆるemcsキーバインドとして主にカーソル移動や文章編集に利用するだけで、OSやアプリケーションのショートカットキーとしてはそれほど多く割り当てされていない。Macの一般的なショートカットキーはCommandキーであり、一部でControlも使うといった状況になっている。

HHKBの特殊ロゴキーは、WindowsではWindowsキーとして、MacではCommandキーにアサインされる。アプリケーションのショートカットキーは104英語キーボード配列を前提として設計されるため、Aの左ではなくZの下にあったほうが押しやすい。このためHHKBをMacで使う場合、一般的なキーボードからの移行がしやすく、必要があるときは思考に負担をかけることなく戻りやすい。

HHKBの問題というよりひいては配列の問題ではあるが、標準的なキーボードと比較するとMacではControlキーがAの左に移動することで文章編集がしやすくなるくらいの影響しかない。ところがWindowsではショートカットキーの操作を大きく覚え直すことになる。emacsキーバインドは種類が少ないわりに生産性への恩恵は大きく、結果としてこの配列はMac環境で有利に働く。*1

次はDeleteキーの問題で、MacではDeleteと呼ばれる実質Backspaceキーしか存在しないが、Windowsでは二つのキーが厳密に区別される。そのためHHKBでコンビネーションを用いずに使用できるのはDeleteかBackspaceのどちらかになり、元からDeleteしか存在しないMacで問題にならない配列がWindowsでは操作の煩雑性を生む。

さらに広範なところでは、Windowsではファンクションキーが生産性に大きく関わるというものがある。ファイル名の変更でも、Excelでセルの内容を確認するときにも使う。Macではファイルを選択しながらReturnキーを押すと名前変更になるが、これがWindowsではF2キーのため、HHKBを使う場合コンビネーションが必要になる。

Windowsではファンクションキーがあったほうが使いやすい。Windowsの利点としてExcelの生産性というのが間違いなくあるが、OfficeアプリケーションとHHKBとの相性は残念ながら非常に悪い。

アプリケーションを含めたショートカットキーのデザインの問題ではあるが、今回試した結果ではHHKBの優れたキーフィーリングよりも操作面のストレスが大きいという印象だった。今後、HHKBをWindowsで試すことはないだろうというのが個人的な結論だ。これはHHKBの問題でもWindowsの問題でもなく、たんに個人的な用途を含めて相性がよくない側面があるというだけの話だ。WindowsでHHKBをMacのように使いたい場合、どのようなカスタマイズができるか十分に検討するのが望ましいだろう。

*1:日本語配列のHHKBではAの左をCapslockと入れ替えできるが、同時に押しやすい位置にあるControlキーという利点も手放すことになる。